相談業務を通じて、よく耳にするフレーズの一つである。
入院患者さんはご高齢の方も多く、入院されたのをきっかけに介護保険の申請をされ、デイサービスや福祉用具のレンタルなど介護サービスの利用につながるケースもよくある。いわゆる、在宅サービスでの支援である。今回は介護保険を例にお伝えさせていただこうと思う。
在宅での介護サービスを利用するにあたっては、ケアマネジャーや各サービスの事業所を選定していくことになる。実際に利用するサービスついては基本的にケアマネジャーが調整してくださるので、介護度が確定している場合まずはケアマネジャーの選定についてお話させていただくことが多い。本人やご家族等の要望を踏まえながら決めていくようにさせていただいている。
そのあたりのお話をさせていただく時なんかによく言われるのが、「お任せします」と言ったような内容の発言である。本人らの「自己決定」を支援させていただくという意味では少し頭を悩ませる場面ではあるが、こういったことに関しては仕方がない側面も大いにあると思う。一言でいえば、よく分からないのである。よく分からないことについて判断をしろと言われても、考えるのも大変だし色々と決めていくのが難しいのは無理もないかと思う。
実際介護保険一つを取っても、制度的に色々とややこしいことも多いし専門職の人間ですら細かいところの内容になると把握しきれていない場合だってある（というか、国はいたずらに加算・減算を増やしすぎて色々と複雑になり過ぎである。いい加減にしろと言いたい。）。説明を受ける方がご高齢の方とかであれば、余計に理解や判断をすることが難しいかと思う。どんなことであれ、よく分からないことは詳しい人にお任せしたいという気持ちを抱くのは個人的にもよく分かる。できる限り分かりやすい説明を心がけつつ意思決定の判断材料となるような情報をお伝えしながら進めてはいくが、それでもケースによっては本人らでの判断が難しい場合もある。そのような時には、なるべく本人らにとって良さそうなケアマネジャーの事業所にこちらから紹介させていただくこともある。
いかにして自己決定を支援していくかはソーシャルワーカーの腕が問われるところでもあるかもしれないが、ある意味で雑にやろうと思えばそれでも成立してしまう側面もあるかと思う（こちらの都合だけで色々と決めてしまうなど）。しかしながら、当然そのような支援の進め方が良いとは考えない。自己決定を適切に支援していけるよう努めるのは勿論だが、なかなか自己決定が難しいようなケースでも、まずは本人らにとっての利益が何なのかという視点を持ち「ウェルビーイング」の増進を目指すことを忘れずに支援していければと思う。
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